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「ボクの彼女は発達障害2」を読んで

2016/12/04

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「ボクの彼女は発達障害2」を読んだ感想です。
(また2巻かい。)

あと、沖田×華さんのやらかし系やはざまのコドモも読んだ上での感想です。

そもそも発達障害とは?

まず発達障害とは、アスペルガー・自閉症・ADHD(注意欠如多動症)・LD(学習障害)などの広汎性発達障害の事を指します。

以下、何冊か発達障害系の本を読んでみての個人的な発達障害のイメージです。
(本の内容・感想メインなので、説明はあくまで補足的な感じで大まかです。すみません。)

発達障害の特徴をざっくり言うと「他人とのコミュニケーションが苦手」
苦手な理由にはいくつかありますが、良く例が挙がっているものとしては

発達障害の症状例
・他人の顔色を読み取れない
・顔を覚えられない(相貌失認)
・言葉に出している事が本音だと思ってしまう
(職場などで「帰れ!」と言われたら本当に帰ってしまうなど)
・嘘やタテマエを使えずストレートに本音を言ってしまう
・計画通りに進まないとひどくパニックになる
・話しかけられても、名前を呼ばれていないと自分に言われていると思わない
・聴覚過敏で大きい音が苦手
・緘黙症(かんもくしょう)と言って、固まってしまったように話せなくなる
・計画を立てるのが苦手で衝動的に行動する
・「大体」や「適当」などが分からず、具体的な説明が必要
・短期記憶が苦手

などです。

ネット上なんかでは、コミュニケーションが上手く取れなかったり、
相手の気持ちが分からない・意思が汲み取れないようなタイプに人に
「お前はアスペか?」など嫌味半分のような感じで使われることが多いですが、
「人の心・空気が読めない人」というのが世の中の大まかな認識なのかなと思います。

日本のような「察しろ文化」の中では、特に生きにくそうな障害ですね。
実際、発達障害が原因の二次障害でうつ病やパニック障害になったりもするそうです。n811_unadarerusarari-man-thumb-autox1600-14744
発達障害は、主に先天性の脳機能障害が原因なので
本人の意思や努力で治るという事はないようです。
また、現代になって広く認知されてくるようになりましたが、
「アイツは変なやつ」とか「どうしてそんなに空気が読めないの?」と
まだまだ理解がされない、性格の問題と思われる事も多いようです。

 

本の内容紹介&感想です

この本に登場する男女のうち、女性の「あおさん」が発達障害です。
そして男性の「くらげさん」は聴覚に障害があり人工内耳を使用しています。
こちらの障害者カップルの日々のドタバタを、漫画で分かりやすく描いている本です。

タイトルのとおり、メインはあおさんの発達障害のほうです。
「時間どおりに着かないが当たり前」というテーマでは、
あおさんが待ち合わせに大幅に遅刻するのですが、その理由は「ハトを追いかけていたから」。
発達障害の症状のひとつ、「衝動的に行動する」ですね。
また「どこに行くにも1時間前に家を出ればいい」という独自ルールで動いているようで、
計画を立てるのはかなり苦手なようです。

くらげさんは、予め早い段階で合流して移動は一緒にする、
待ち合わせ時間を2時間ほど早めるなどして対応しているそうです。
大変ですよね。愛がないとできないなぁ…。

「ストーリーがわからない」
映画のストーリーが覚えられず、どういう内容か分からないという事なんですが…。
あ、なんかこれちょっと分かるな…。私も映画見ても結局どんなストーリーだったっけ?となる事あります。
そもそも映画にあまり興味がないからなのかな。
それはさておき、あおさんの場合は短期記憶が苦手、顔を覚えられない(相貌失認)が原因でそうなるようです。
こういう日常的なささいな事でも不便さを感じているんですね。

「『普通』に見えるという難しさ」
くらげさんもあおさんも、一見すると普通の人のように見えることがあるそうです。
ですが、そう思われてしまうと「普通じゃない」ところを目の当たりにした人が動揺する、と…。
例えば発達障害で計算が苦手だったり、地図が読めなかったり、何か見当違いな事をしてしまったりすると、
「あの子ちょっとおかしいんじゃない?」ってなるんでしょうね。
発達障害をきちんと理解してくれていれば良いわけですが、「なんだ普通の子じゃん」と思われてしまうと
症状が出たときとのギャップが生じて相手が動揺してしまうようです。

何でもそうですが、カミングアウトする場合って誰にどのタイミングでするって悩みますよね。
そこまで関わりのなさそうな相手にわざわざウィークポイントをさらす必要はないし、
かと言って言うのが遅くなれば「えっ、今更そんな重要なことを!?」とか「今まで黙ってたのね…」みたいにもなりそうだし。
就職時にも難しそうです。仕事で恐らく何かしらやらかす可能性があるのであれば事前に発達障害を打ち明けた方が良いでしょうが、
それを打ち明けたらそもそも就職できないだろうし…。
実際、発達障害者で新卒の4人に1人しか就職できないという統計があるそうです。失業率75%以上。

「就労への移行支援」というテーマでは、あおさんが就職するまでの経緯が描かれています。
あおさんの場合は、就労移行支援事業所に通って受講→実習→スカウト→就職だったようです。
くらげさんの手助けとあおさんの実力で、無事印刷会社に就職。
その働きぶりにも発達障害の特性が出ています。
会社の社長さんからは「集中力があってスピーディーで丁寧」と好評価なようです。
複数の事を同時進行するのは苦手なはずのあおさんが、職場で色々な仕事をこなしているそうで、
その工夫は「1日1種類しか仕事をしない」
聞けば納得のやり方ですが、職場の理解があってこそですね。
発達障害があっても、自分にあった職場であれば働けるという見本のようです。

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まとめ

こういう本を出す方の多くは、
「~についてもっと知られて欲しい」という願いをこめていると思います。
それは今まで理解されずに苦しんできたことが多いからでしょう。
前述のように「これは先天性の障害で自分ではどうしようもないんだよ」
「症状にはこういったものがあるよ」と少しでも理解が広まれば、
彼らにとって今より少しは住みやすい世の中になるかもしれません。

「『帰れ』と言ったら本当に帰っていった」
「言われたことしかしない」
「常識がない」
「わがまま」
「空気が読めない」

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…「これだからゆとりは~」となりそうな内容ですが、
「ゆとり」という固定観念を捨てて「もしかして発達障害?」と別の視点から見てみるのも、今後の社会には必要な気がします。
最近は何でもかんでも性格上のマイナスな事を単純に「ゆとり」でくくりすぎなように感じます。
そしてせめて、叱責などからくる二次障害の発症が減ることを願わずにはいられません。

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